「ケトン体が人類を救う」の紹介と考察

理詰めしたい人にオススメ

糖質制限に関する本を一冊選ぶなら、この本をオススメします。

私の中で暫定一位です。

著書の宗田哲男先生は、妊娠中は、妊婦も胎児、そして、新生児が高ケトン状態で生きていることを明らかにした人です。

正直なところ、ケトン体を重要視していませんでした。

大間違いでした。

今は、自分のケトン体がどのくらいなのか知りたくてしかたありません。

本の中で紹介されているアボット社の「プレシジョンエクシード」(簡易ケトン体測定器)が欲しくなっている自分が居ます。

妊娠を考えているなら推奨したい一冊

糖質制限に関する予備知識が無くても、読みやすく説明されています。

宗田先生は、産科医なので妊娠糖尿病に関する話題だけかと思いきや、糖質制限についての情報を幅広く展開されています。

以下の人には、読んで貰いたいです。

  • 妊娠を考えている女性、旦那さん
  • 現在の糖尿病治療に疑問を感じている人
  • 妊娠糖尿病と診断されインスリンを投与している人

そろそろ気付いて良いのではないでしょうか。

カロリーを制限してインスリンを投与するという矛盾に。

糖尿病は、糖質の過剰摂取による高血糖が原因なのに、糖質の摂取はヤメずにカロリーを抑える。それでも、血糖値が上がるからとインスリンを投与する。

糖尿病内科医にとってのテーマが、「どうやって薬を使わせ続けるか」だとわかります。

現在の糖尿病治療がどう矛盾していて、ケトン体がどう安全なのか詳しく知る上でも最良の一冊です。

コレステロールは悪者ではない

不妊治療を受けていてもなかなか子供が授からない理由として、糖質の過剰摂取とコレステロールの制限が原因となっている場合もあるようです。

コレステロールには、以下のような働きがあります。

  • 傷ついた血管を修復する
  • ホルモンの材料となる

動脈硬化の原因ではないこと。ホルモンの材料となるので、生理周期が安定させる上でも欠かせないことがわかりました。

そして、コレステロールが悪者扱いされるきっかけを作ったのは、論拠の無い研究結果だったと知りました。

体験談も豊富に掲載されています

長文を読むのが苦手な方は、体験談だけでも十分参考になると思います。

糖質制限食を実践し、42歳で妊娠した女性の体験談を始め、7名ほどの女性が体験談を書いてくれています。

  • P93~P105
  • P267~P273
  • P274~P278
  • P279~P285
  • P286~P292
  • P292~P309
  • P334~P335

妊娠糖尿病と診断され、中絶すらも示唆された女性が糖質制限により、母子ともに健康で子供の体重も平均的で巨大児にもなっていない。

体験談を読むだけで、勇気をもらうことができると思います。

信念を持ち真っ向勝負の潔い人

著者の宗田先生は、某学会と何度となく衝突を繰り返してもめげず信念を貫き通す姿勢がかっこいいです。

「それでなくとも、糖尿病の母から生まれた子は障害児が多いのに・・・」という発言が聞こえます。

(引用:P72後半)

おい、それこそ、今までのあなた方の治療法の結果でそういう子が生まれているのであって、糖質制限のせいではないだろうに、

(引用:P73後半)

宗田先生は、いくつもの実例を挙げ、根拠の乏しさを明確に指摘してくれます。エビデンスや実際に行った検証結果を掲載することで論破しています。

2型糖尿病と診断された多くの人が症状を悪化させ、人工透析、網膜症、そして、足の切断を余儀なくされる現状があります。

ケトン体が胎盤内で高いことについて、「それは点滴で糖を与えていないからだ」という座長の意見には困りました。これが日本最高レベルの意見なのです。ここでもやはり、ケトン体は飢餓の象徴でしかないのです。

(引用:P75後半)

内容を読み進めるほどに、何が正しいのか、誰が真実を語ってくれているのかが見えてきました。

どちらの医者にお世話になりたい?

どちらの医者にかかりたいでしょうか?

  • 古い定説を鵜呑みにし、薬を使いたがる医師
  • 常に疑問を掲げ、日頃から研究を重ね自らも実践する医師

もしも、医者にお世話になる場合は間違いなく後者を選びます。

今後のために、糖質制限への理解のあるお医者さんを探しておこうと思いました。

私は、糖質をとらない生活をすでに7年以上続けていますし、1日1食で朝と昼は食事をとらないで、主にコーヒーのみで生活していますが、空腹もなく、朝からお産や手術や外来を1人で続けています。そしてこの7年間、身体を壊したことはありません。

(引用:P123中頃)

色々考えさせられた部分

読んでいて、特に考えさせられた部分を紹介します。

■炭水化物という曖昧な分類

キノコは「炭水化物」ですが、そのほとんどが食物繊維です。逆に、白米は「炭水化物」とはいえ、糖質がほとんどです。それを同じ分類にするからややこしいことになります。

(引用:P145後半)

たしかに、商品のパッケージに印字されている食品成分表記には、「炭水化物」と記すことが許されている現状があります。

■糖質の過剰摂取

お茶碗1杯のごはんを150gとしますと、糖質量は55gで、これは角砂糖に換算すると17個分にあたります。

(引用:P231中頃)

厚生労働省が勧めている食事バランスガイドのコマの絵をよく目にします。(中略)1日の糖質量は、妊婦の場合、妊娠後期には白米ごはんにして8杯分を食べるように指導されます。これは、角砂糖100個分になります。

(引用:P234中頃)

ヒト本来のエネルギー源がブドウ糖ではなくケトン体という理解が浸透すれば、糖質の摂取量目安は、真っ先に修正されるべき内容です。

■コレステロールの誤解

イギリスの医学雑誌に今年(2015年)2月、「食事指導を実行してもしなくても心筋梗塞などによる死亡率は変わらない」とする研究結果が発表されました。

(引用:P156前半)

日本では、「卵をたくさん食べてはいけない」という栄養指導くらい、古来ポピュラーで、我々に刷り込まれてきたフレーズはないでしょう。これが否定されたのです。

(引用:P157後半)

コレステロールは、動脈硬化の原因ではなかったと明らかになっています。

■戦時中、食事で病死した人たち

戦地には、白米だけが送られました。日清戦争では戦死した人は453人、ところが4万8000人もの人が脚気になり、そのうち2410人が死亡したのでした。

(引用:P227後半~P228前半)

続く日露戦争では、(中略)戦死者が4万7000人だったのに対して、脚気患者は21万2000人、うち2万8000人もの人が脚気により死亡したのでした。

(引用P228前半)

脚気がここまでひどい状況だったと、知る由も有りませんでした。

結論だけ知りたいなら、P343の「おわりに」だけでも参考になります。この本で伝えたいことがまとめられています。

最後に、本のタイトルは、夏井先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」の続編のようなイメージとして付けたそうです。

本当に読み応え十分でした。

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